今回は、ソーシャルワーカー(社会福祉士)の仕事「児童発達支援センター」に焦点を当てて説明します。
この記事を読むと
- 児童発達支援センターの役割について理解できる
- 児童発達支援センターの仕事内容について理解できる
- 児童発達支援センターの対象者について理解できる
児童発達支援センターってどんなところ?
児童発達支援センターの主な活動内容
児童発達支援センターは、地域の障害のある児童を通所させ、日常生活における基本的動作の指導、自活に必要な知識や技能の付与、集団生活への適応のための訓練を行う施設です。
例えばですが、集団行動が苦手な子がいるとします。
もちろん、
「みんなと一緒に遊ぼうね」
「なんで同じようにできないの!」
なんて最悪なコミュニケーションです。
そんなとき児童発達支援センターでは、社会福祉や保育、心理など専門的な知識を用いて、コミュニケーション方法を伝えていきます。
児童発達支援を行うほか、施設の有する専門性を活かし、地域の障害児やその家族への相談、障害児を預かる一時預かりなどの支援も行います。
児童発達支援センターは地域の障害児支援の中心的な役割の一部を担っています。
訪問サービスの提供や関係機関との連携など、より広範な支援を行うことで、地域の障害児とその家族に対して包括的なサポートを提供しています。
障害に応じた生活のスキルや集団行動について教えてくれる
児童発達支援センターの利用方法と利用条件
児童発達支援センターの利用料金は、利用者の所得に応じて決まります。一般的な目安としては、1回あたり1,000円~1,500円程度となっています。しかし、利用料金の9割は公費によって負担されるため、実際に保護者が支払う金額は比較的低額に抑えられています。
一般的には1割負担ですが、状況によってその一割も減免されるかもしれません!
さらに、食費の減免制度などの支援策も設けられており、経済的な負担を軽減することができます。
低所得世帯の場合は、月額の上限が設けられているなど、利用者の状況に応じた配慮がなされています。
このように、児童発達支援センターの利用料金は、所得に応じて決まり、公費負担や各種減免制度によって、保護者の経済的な負担が大幅に軽減されるようになっています。
利用を検討する際は、お住まいの地域の担当窓口に相談し、自身の状況に合わせた支援を受けることができます。
基本は1割負担。その1割も暮らしの状況によって減免される可能性あり
児童発達支援センターの利用の流れ
利用を検討している施設を実際に見学して、合う合わないなどを検討します。実際に利用している児童の表情をチェックすることが重要!
利用すると決めたら申請書の作成に入ります。申請先は行政窓口や指定障害児相談支援事業者となります。
書類の審査が済んだら通所受給者証が発行されます。
通所受給者証が発行されたらいよいよ利用開始が可能。契約を取り交わして利用開始日を決めましょう!
児童発達支援センター の対象者
対象者は障害がある児童
・身体に障害のある児童
・知的障害のある児童
・精神に障害のある児童(発達障害児を含む)
・医療型については、上肢、下肢または体幹機能に障害のある児童
そのほか、医師が認めた児童も対象となりますよ。
対象年齢は未就学児
対象年齢は、6歳までの未就学児です。
あれ?じゃあ、7歳以上はどうするの?と思われたかもしれません。
7歳以上は、放課後等デイサービスを利用することになります。
児童発達支援センターでの具体的生活
子どもたちの過ごし方
児童発達支援センターでは、まず登所時の着替えや排せつ、手洗いなどの日常生活動作を丁寧にサポートしています。また、給食の提供と食事指導も行われ、子どもたちの基本的な生活習慣の形成を支援しています。
このあたりのことは保育園や幼稚園と変わらないでしょう。
やはり特徴的なのは、個別の発達支援プログラムに沿った活動です。
- 絵本の読み聞かせや言語訓練による認知・言語機能の向上
- 運動機能の向上を目的としたサーキットやリハビリの取り組み
- 集団活動やロールプレイを通じた社会性の向上
このように子どもの発達段階に合わせた多様なプログラムが用意されています。
これらの活動を通じて、児童発達支援センターは、発達に課題のある子どもたちの自立と社会参加を目指して、きめ細かな支援を行っているのです。
親への支援
保護者同士が交流できる場が設けられており、お互いの悩みを共有したり、職員からのアドバイスを受けたりすることができます。
障害の有無にかかわらず子育ては孤独になりがちです…。
これらの不安や孤独を打ち消すように、保護者同士のつながりが深まり、孤独感の解消にもつながっています。
また、最近では、親子グループプログラムも行われることもあります。ここでは、対人行動の基礎や身辺自立の指導が行われ、保護者が子どもの発達を一緒に支えていくことができます。
このように、児童発達支援センターは、子どもの発達支援だけでなく、保護者支援にも力を入れています。保護者の方々が安心して子育てできるよう、様々な取り組みが行われているのです。
地域活動支援センターの役割と仕事をわかりやすくまとめると
児童発達支援センターは、障害のある未就学児(6歳まで)を対象に、日常生活の基本的動作や集団生活への適応訓練を行う施設です。専門知識を持つスタッフが、個々の子どもに合わせた発達支援プログラムを提供し、絵本の読み聞かせ、言語訓練、運動訓練、集団活動などを通じて社会性や自立を促します。
また、親への支援も重視し、保護者同士の交流や職員からのアドバイスを通じて孤独感を軽減します。利用料金は所得に応じて決定され、一般的には1回あたり1,000円~1,500円程度ですが、公費負担や減免制度により経済的負担は軽減されます。
利用を検討する場合は、施設見学、申請書作成、通所受給者証の発行を経て利用が開始されます。7歳以上の児童は放課後等デイサービスを利用します。施設は地域の障害児支援の中心的な役割を担い、包括的なサポートを提供しています。
まとめ
- 日常生活動作の指導:着替えや排せつ、手洗いなどの基本的な生活習慣を支援。
- 自活に必要な知識や技能の付与:個別の発達支援プログラムに基づき、認知・言語機能や運動機能の向上を目指す。
- 集団生活への適応訓練:集団活動やロールプレイを通じて社会性を向上。
- 専門的なコミュニケーション支援:専門知識を用いて、適切なコミュニケーション方法を指導。
- 地域の障害児とその家族への相談:相談や一時預かりなど、地域の支援活動も実施。
- 食事指導と給食の提供:食事の際の指導を通じて、基本的な生活習慣を形成。
- 保護者支援:保護者同士の交流の場を提供し、孤独感を解消。
- 利用料金の公費負担と減免制度:利用料金の9割が公費負担、一割も減免の可能性あり。
- 利用の流れ:見学・申請・通所受給者証の発行・契約を経て利用開始。